名前は覚えていなかったけど「パリ、テキサス」で強烈に記憶に残っているあの夫。
これからも彼の名前は覚えられず、多分「ラッキー」の人として私の中に残っていくと思う。
高齢男性の一人暮らしなのにあんなにきちんと生活している事に拍手したくなる。
「真実は実体のあるもので、実体の無いものは憶測と思い込み。真実とは自分が何者で、何をするかで、それを受け入れること」ん〜、哲学的で深い!
そして「皆んな同じ様に無に帰するんだ」と。
90歳のお爺ちゃんにこんな事言われたら即答で「うん、うん、そうですね〜」と深く頷いてしまいそうだ。
デビッド・リンチの出番が多くて楽しめたが、台詞は少々棒読み感あり。
米兵も7歳の沖縄の少女もギリギリの所で生きていた、第二次大戦を語るトム・スケリットとの場面も印象的。
ラストのラッキーの表情が忘れられない。
この作品の完成を待たずに天に召された彼のドキュメントのようでもありました。
それにしても、彼は赤い電話で誰に連絡を取ろうとしていたんだろう。それだけが気に掛かる。