たまこ

ラッキーのたまこのレビュー・感想・評価

ラッキー(2017年製作の映画)
3.8
長閑な田舎町で暮らす偏屈で堅物の90歳のジイさんラッキーが、代わり映えのしない日常の中で迫りくる死に向き合っていく様子をユーモラスに描いた映画。

ハリー・ディーン・スタントンの遺作だが、彼のドキュメンタリーではないかと思うくらいなんだか全てがしっくりくる。

90年も生きてるから、太平洋戦争では日本人と戦ったし、ハーモニカの一つも吹けちゃったりスペイン語喋れちゃったり、引き出しが多いんだ、ラッキーは。

そんな彼でも未知のもの、それが死。
見ないようにしててもそろりそろりと近寄ってくる死を、ラッキーが周りの人たちに支えられながら受け入れていく様子が温かくて、死ぬってそんな怖いことじゃないかもって思えてくる。

ラッキーだけでなく登場人物が発する全てのセリフが哲学的で意味があり、一つも聞き漏らしたくない。 「孤独と一人は同じじゃない」
「君もボクもこのタバコも何もかも、すべては無になる」

ホントにその通りだと思う。

リクガメに逃げられたリンチがいかにもリンチで、それも見どころ。

致死率めっちゃ低いコロナで大騒ぎの世間から離れたくて見た映画としては大正解。
何を恐れるべきかもわからずただパニクってトイレットペーパー買い込んでる人たちよ、この映画でも見て禅の精神学んでくれ。

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