円柱野郎

女王陛下のお気に入りの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

18世紀初頭のグレートブリテン。
アン女王と彼女の寵愛を巡って対立するサラとアビゲイルの姿を描いた宮廷ドラマ。

いわゆる本当の意味でのコスチューム・プレイ。
史実としてのアン女王とサラやアビゲイルとの関係を、ドロドロの三角関係に落とし込んだ昼ドラみたいな話だった。
そういう意味では政治的な駆け引きや寵愛を巡っての丁々発止は面白いし、強い女性や同性愛的な趣向も取り込んだ現代のトレンドに即した脚色はよく出来てると思う。
まあ個人的にはあんまり合わない部分もあったのだけど。

サラにしてもアビゲイルにしてもそれぞれに思惑があるのがよく表現できているとは思ったが、人を利用したり蹴落としたりといった部分でアビゲイルのしたたかさは怖いなあ(苦笑)
まあ生い立ちが故の上昇志向的な部分の発露としては理解もできるのだけど、正直言うとあんまり共感はできないかな。
そういう人の面を描く作風ということもあるのか、上流を描いた作品ではあるが作品としては上品ではない感じw
アン女王の痛風の足をさする場面が何度も出てくるけど、ラストの場面などを観てると…あれって男性器の暗喩なんじゃないの?と感じたけどね。

作品は大半が宮廷内の描写。
豪華絢爛な屋内には目を見張るものもあるが、それ以上に夜などの屋内では「バリー・リンドン」よろしく蝋燭だけの明かりで撮っているのが良い。
あと長い廊下を広角で撮る画なども面白いなあ、と思った。
円柱野郎

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