真世紀

23:59(原題)の真世紀のレビュー・感想・評価

23:59(原題)(2011年製作の映画)
3.2
シンガポール、マレーシア産のホラー映画。

アバンタイトル、寝台で寝ている兵士に子供の霊が、ついで反対からは女の霊が近づくがその顔はぐちゃぐちゃで判然としない。

タイトルは味のあるイラストで、足首から先のない兵の行軍を物陰から怯えながら目撃する兵士、髪を櫛けずる女ただし自分の生首を抱えながらやら、大量の御札で封印されている扉、走る車両の上に座っている女だのの一枚絵が次々と。いくつかの絵ではまいた腕章に丸が描かれてあり、刀で斬首する軍人やらも登場、え、これは旧日本軍絡み?なんてのも。

1983年、島にある軍事教練所。二年間の訓練期間がもう数週間で終わるという時期、新兵たちの間には幽霊の噂が。以前、教練を受けていた兵士が自殺に追い込まれてという軍隊怪談の定番ネタ、一番不吉な24時の前、23時59分に死ぬと浮かばれないだの、その時間に何かが起きるだの。

一人の兵士、回りからは足を引っ張ると思われているタンは自分が以前見た女の霊にまた襲われると怯えていた。やくざ者のドラゴンに何かと絡まれる彼を古くからの友人ジェレミーはかばうが、自身は幽霊など、子供の頃に父親にインチキ降霊術を演じさせられていた過去から信じてはいなかった。

長距離行軍の訓練が迫るが、指導する軍曹は実はビリーバーで、その日は暦上でもよくない、日を変えた方がいいと上官に具申するが、一笑にふされる。せめてもと自腹で御札を買い求め、出発直前の兵士らに配るが、ジェレミーはタンの分を含め、受けとり拒否。案の定、夜間にジェレミーは現地民のおばさんを目撃、気をとられた隙にタンが姿を消す。軍曹ら四人と捜索に出た際に懐中電灯が一斉に消え、前にいる者の肩に手を置いての点呼では最後にタンの声がするも彼は既に別の場所で事切れていた。

ここまでで話半分ぐらい、さらに兵舎に怪異が続く。

尺が短い割には話は結構、とっちらかって進行。だが、妊婦のはらんだ胎児に憑いた霊だの、異常行動する兵が額に張られた御札を食っちゃったりだの、一面に様々な漢字が、中央に霊の一文字が大書されている紙でやる「こっくりさん」だの、チンピラのドラゴンが案外と南無阿弥陀仏称えだしたり、色々とディテールにアジアンテイスト溢れていて、個人的には楽しめました。

そして、タイトルで描かれていた様々な怪異は映像でどう描かれるのか、ドキドキしてたら、まるで本編には関係なかったのであった(爆)。どっとはらい。
真世紀

真世紀