えむえすぷらす

素敵なダイナマイトスキャンダルのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

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面白そうなエピソードが多そうなのに、キャスティングも良さそうなのに不穏な音楽とともにただ流れていって終わったように思える。

衝撃的な母親の死。東京に出てきてエロ雑誌で成り上がる主人公。そして
挫折と再起。これがぶつ切りのエピソードで投げ出されてくる。
背骨のない映画だった。

追記。モデルになっている写真家が告発されている。この映画はエロ雑誌を扱っているはずですがトラブルは描かれない。「芸術」と連呼するカメラマン。それに「芸術?」と信じて言われるまま撮られるモデル。素敵な共犯関係。
でもみんながみんなそうだとは思えない。嫌がった人、逃げた人もいたはずだけど男の都合のいい目線でしか映画は描こうとしない。

何が描かれなかったのか。本来フィクションに求めちゃいけないと思っているけど今回のカメラマンのプロフェッショナルとしての配慮の欠けた生態が告発された事で本作については描かれなかったこと、忘れようとしている事の存在を疑わざるを得ない。