開明獣

名もなき野良犬の輪舞の開明獣のレビュー・感想・評価

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)
5.0
韓国の名優、ソル・ギョング出演作品を愛でる その4

虐待を受けた環境から、ヤクザの幹部へとのし上がっていく、ジェホ(ソル・ギョング)。潜入捜査で、刑務所でジェホに接するヒョンス(イム・シワン)。誰も信用出来ない状況で、警察もヤクザも混戦模様で悪の道をひた走る。

ソル・ギョングのハイエナのような笑い方が耳に障る。悪に染まる負の連鎖は、不思議な切なさと悲しさを呼ぶ。下手な救済など持ち込んでこない東洋的な諦観思想にも似た雰囲気がたまらない。

バッドテイストとは必ずしも言えないけれど、漆黒の闇がどこまでもつきまとう感覚は、綺麗事だけじゃない世の中の縮図を垣間見せてくれるようだ。
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