ねつき

少女邂逅のねつきのレビュー・感想・評価

少女邂逅(2017年製作の映画)
3.6
「親友に出会える確率は24億分の1」

自分の目に見えるものを大切にしよう、と思った。ミユリにとってツムギは何よりも大切な存在であったはずなのに、周りからの評判や自分の不信感で、離れていってしまったのだ。どんなにいじめられてもずっとリストカットできなかったミユリが最後にした行動は、生への絶望よりもそれだけ自分への怒りや許せなさではないかなと思う。自分を責めながら生きていくのって本当に辛いから、せっかく広い世界(ではないと思うが彼女たちがそう呼んでいるだけ)に飛び出していったミユリのこの先の人生がとても心配だ。無かったことにはできないと思う。自分を責めると思う。アナザーストーリーがいくらでも作れそうだ。
「箱の中から出て、広い世界に行こう」と少女たちは何度も言っていたが、私的にはどこまでいっても世界の広さは変わらないと思う。自分の世界をしばしば「狭い」と感じることはあるけれど、じゃあ思い切ってインドに行ったら世界は広がるのか、と言ったらその瞬間だけだろう。そこで生活していくことに変わりはないのだ。ほんとうに世界を広げることは知識をつけることだと思うから、子どもらしく安易で、儚いなと思った。
静かな映画だったけどさくっと見られてしまったな。親友の定義だって難しいんだから、大人になった今となっては、とにかく自分が楽に生きられるように、自由を手にして自分の好きな人を愛していけばいいんよ。学生って色んな檻に入れられていて本当不自由だな。でも、そのくらいしないといけないくらい子供って危なっかしいもんな。つむぎちゃんは、もう少しだけ我慢できたら、大人になれたのに。大人になったらなんでもできるのに。もう少しだったのになぁ。
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