松濤美術館、クエイ兄弟展にて。

2010年制作のコム・デ・ギャンソンのイメージ映像との事、知らんけど。松ぼっくりとか、ハスの花って、よくよく見ると超キモいよね、集合恐怖症には辛いよね、みたいな映像、知らんけど。歪めたり、早めたり、スタイリッシュである事は確か、知らんけど。

ストリートオブクロコダイルや人工の夜景などで知られるストップモーションの巨匠クエイ兄弟が手掛けたCOMME des GARÇONSの香水のCM。

大好きな監督の才能が枯渇する瞬間を見てしまったような気分になりました。ヤンシュヴァンクマイエルよりも、川本喜八郎よりも、先日ピノッキオでオスカーを受賞したギレルモデルトロよりも、ストップモーション作家と言えばクエイ兄弟で、初めてストリートオブクロコダイルを見た時はそれはまあ衝撃を受けたものです、が。。。今作はVFXの使い方がナンセンスだし、世界観は全然広がってないし、芸術性もそこまで感じられないし、1カット1カットも綺麗じゃないし、色々と残念でした。同じ実験映画の監督でも、ケネスアンガーは80歳を超えながらMissoniの広告を自分の個性を消さずに宣伝していたけど、クエイ兄弟にはそれが出来なかったようです。

クエイ兄弟が手掛けたコム・デ・ギャルソンの広告ムービー。
歪な世界を覗き見る眼のアップが印象的。
湾曲と集合、断片と断面。
薄気味悪いが、美しさもある。
この映像からファッション要素を見出だすのは難しい。