Ren

JUNK HEADのRenのレビュー・感想・評価

JUNK HEAD(2017年製作の映画)
3.5
まるで言語化できない。けど、とにかく「すごいものを観た」ということだけお伝えできたら。

たった一人で製作を開始し、7年の歳月をかけて100分のストップモーションアニメを独学で作り上げたことに心から敬意を。この世界観をゼロから一人で作ったという事実。膨大な作業量を要したことは想像に難くない。

無いに等しい色彩、地下空間ならではの閉塞感、ディストピア好きのツボを抑えた雰囲気作りの上手さは言うまでもない。「キャラクターがどの国の言葉でも無い謎言語で会話する」ことも怪しげな雰囲気に一役買っていたが、これは「声優を雇わなくてもアテレコできるようにする工夫」とのこと。超少人数体制でも一本の映画を作れるよう何個も工夫が施されており、熱意や気概をひしひしと感じた。

クリーチャーは気持ち悪いししっかりグロい。そしてラスト20分ほどになってようやく物語が本題へ向かって本格的に動き出す。この言葉はあまり好きではないけど「好みがハッキリ分かれる」作品であることは確か。映画のテンポに体が馴染んできたとき、もっと観たい先が知りたいと食いついてしまうような、不思議な魅力を持った作品でもあった。

続編も前日譚もできそうな終わり方だったため、この世界観をさらに広げた2作目が製作されるのならば観てみたい。「スター・ウォーズ」シリーズのエピソード4的な位置付けの映画だったのかなとか。
Ren

Ren