ぴろ

ALONE アローンのぴろのネタバレレビュー・内容・結末

ALONE アローン(2016年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

とあるトラウマから恋人との新たな一歩を踏み出せずにいる男の深層心理を、地雷原での極限状態に重ね合わせ寓話的に描いた作品。

アメリカ兵の主人公マイクは、戦地でのとある任務に失敗し、撤退途中に地雷原に迷い込む。相棒は地雷で吹っ飛び、マイク自身も地雷を踏んでしまい、一歩も動けなくなってしまった。助けが来るまで52時間。照りつける日差し、残り僅かな水と食料。孤独と極限状態の中でマイクは、自分の内面と過去のトラウマを巡る旅をする…

オチに文句をつける人がちらほらいて、分かってないな、と思う。地雷は最初は本物だった。マイクが、封印していた過去とちゃんと向き合い、折り合いをつけ、未来に向けて一歩踏み出す勇気を持ったことが、ベルベル人の少女の加護と相まって本物の地雷をブリキ缶に変えたのだ。何か宗教的な「試練」だったとも言えるかもしれない。

何にせよ、人生の中では、本作のような大きな決断を迫られる局面があるだろう。現状から一歩踏み出さずにただ誰かの助けを待つか、たとえ苦しみが待っていたとしても自由と未来に向けて一歩踏み出すか、の決断だ。踏み出せばいい、踏み出すべきだ、と本作は繰り返し訴える。やらずに後悔するより、やって後悔しろ。自分の未来は自分で掴み取れ、と。
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