三次元からきたブロンディ

トップガン マーヴェリックの三次元からきたブロンディのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

記録

『トップガン』35年ぶりの続編を劇場で鑑賞した。正にこれぞ映画だ!
序盤〜終盤まで飽きさせず楽しませてくれた作品は久々だったかもしれない。

本作『マーヴェリック』はアメリカ海軍きっての歴戦パイロット マーヴェリック(トム・クルーズ)が教官として帰って来るところから物語は始まる。
今作はお浚いとして前作『トップガン』を事前に観ておかないと楽しめないかもしれない。

本作はマーヴェリックの相棒グースの死への贖罪の物語なのである。その拭いきれない過去が物語を大きく左右される。
また今作は俳優達が数ヶ月の飛行訓練を受け、ドッグファイトなどの飛行アクションは全てCGなしで行なっている。
これが臨場感と迫力が半端なく、観ている側も実際に操縦しているかのように錯覚に陥る。現在ではCGでこういうアクションは簡単に作り上げてしまうが、矢張り生身のアクションは手に汗を握ってしまう。

序盤マッハ10のテスト飛行をするマーヴェリックを見ているとフィリップ・カウフマン監督作『ライトスタッフ』のサム・シェパードを思い出す。それともう一つはデヴィッド・リーン監督作『超音ジェット機』を思い出すのは自分だけではないだろうか…
製作陣は絶対にこの2作品が好きなのではないかと思いが募ってしまった。この場面だけ登場するエド・ハリスは恐らく『ライトスタッフ』への引用だと思われる。
また序盤〜中盤にかけての訓練、終盤でのドックファイトクリント・イーストウッド 監督作『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』『ファイヤー・フォックス』を彷彿とさせた。これだけでも本作は最高傑作なのは間違いなしだ!
それとOPが前作と同様ケニー・ロギンスが歌う『Danger Zone』から始まるので、80年代に引き戻されてしまった。

キャスト陣は主演のトム・クルーズを始め、マイルズ・テラー 、ジェニファー・コネリー、そして前作アイスマンを演じたヴァル・キルマーが久々にスクリーンに登場したのは感動してしまった。彼の登場だけでも褒めてしまう。キルマーは咽頭癌で一時声を失っていたが、昨年の21年に現在の最先端技術でAIによるクローン技術によって自分の声を取り戻した。本作でも少しではあるが、彼の声を聞く事が出来る。

それから本作はちゃんと前作を手掛けたトニー・スコットへの敬意を表している。
EDでは彼の追悼を兼ねた賛辞のテロップは涙を誘う。

これは是非観ていただきたい作品だ!自宅では絶対に味わえない感動を味わえるので、劇場で鑑賞することオススメする。
いざ!劇場へ!