三次元からきたブロンディ

ガープの世界の三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

ガープの世界(1982年製作の映画)
4.5
記録

ジョン・アーヴィングの原作を名匠ジョージ・ロイ・ヒルが映画化。性欲、暴力、死、そしてマイノリティと現代では珍しくもない分野ではあるが、本作が公開されたのは80年代前半。製作当初は映像化不可能と囁かれていたが、ロイ・ヒルの手腕で見事に作り上げた。

本作はこれまで2回ほど鑑賞していて、改めて見直すと物語の伏線がしっかりと敷かれており、最初から最後まで飽きさせずに楽しく観ることが出来る。また本作は現代のフェミニズム運動への橋渡しになったのは間違いない。

そこでガープの母ジェニーとフェミニストの女性たち、そして彼の妻でもあるへレンは表裏一体のように相対的に映し出されている。フェミニストの女性たちは男性には閉塞的で荒んでいる。しかしヘレンに関しては恋愛と結婚で女性の生き方と自由を描いている。

なので、本作はフェミニズム運動を多く取り入れた作品だと思われがちだが、再び見返すとそう描写されていない事を解釈が出来る。
私も再び劇場鑑賞して本作が益々好きになった。同時にロビン・ウィリアムズのあの満面の笑顔を見ると再び彼に会いたくなった。