しんご

トップガン マーヴェリックのしんごのレビュー・感想・評価

4.5
前作人気という「亡霊」にあやからず、これをF14で鮮やかに振り切るかの如く爽快な映画。前作同様にプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーは御年78歳、トム・クルーズは今年還暦なのがウソだろって思う位に攻めまくった作品。

挫折、友情、恋愛と週刊少年ジャンプ的な世界観から格段に「深化」していた。36年間経って映像技術は革新的に進歩したけれど、前作のアナログな世界観は依然として継承しているのはオープニングからビシビシと感じた。

昇進も引退も拒み開始早々命令無視してマッハ10の世界に挑むピート大佐はコールサイン通り相変わらずの「異端児」ではあったけど、過去の体験から戦闘の怖さも知ってるいい大人になっているのは時代の流れを感じた。無人飛行が可能となりパイロットの存在がいずれなくなることを指摘された時、「でも、それは今日じゃない」と返すマーヴェリック格好良すぎ。

そんな彼が故グースの息子「ルースター」を含むパイロット達の教官として、久しぶりにトップガンに戻るところからドラマが本格始動な訳だけど、こっからがオールドファン、今回の観客両方を唸らす脚本の展開で大満足。前回のキャストが要所要所にすっと出るストーリーがとても良く、単なる同窓会的な作品にはしないぞ!的なトム・クルーズの意気込みを感じた。

人間には決して不可能であろう任務とドッグ・ファイトはDolby Atmosの効果もあり超ド級で、久しぶりに劇場で見応えのあるアクションを堪能した。空爆のシーンとか絶対に無理だろと。そのアクションを軸に登場人物の葛藤の解消、友情、仲間を被せる展開...ベタだけどこれがまさに映画なんだと感動。
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