振り返れば。
我々世代の映画はただひたすら、前だけ見ていた気がする。
若さにまかせ、
とにかく誰よりも先へ、先へ。
そんな時代も緩やかになり、
いつかは新しい時代にロックオンされる時が来る。
その時、
我々と同じだったはずのあの若者が、
何に悩み、
何を信じ、
どんな答えを見出すのか。
新しい若者たちの喧噪の外に放り出され、
かつての恋人の家にも入れてもらえず、
同じ時代を駆け抜けた戦友にも取り残され、
たった一人で、
移ろいゆく時代とともに、ゆっくり去らんとする。
ド派手なドッグファイトよりも、
その”ハリウッドスター”のまなざしに、大きく心が揺さぶられた。
センチメンタルは恥ずかしいが、
インターネットエクスプローラーが終了した今日、
大事な友人とこの映画を観た思い出を、
素直な気持ちで残しておきたいと思う。
我々の青春を30年経った今、素晴らしい形に結んでくれた
ことに心から感謝したい。
ありがとう、トム・クルーズ。