映画としては0点!
映画体験としては200点!!
あれ?ここは90年代?と錯覚を起こすほどステレオタイプの2時間半。しかしまぁ、2時間半の長さを感じない。
あれ?予想通り過ぎるストーリー?と予告編ですべての展開が読める脚本。しかしまぁ、一瞬たりとも飽きさせない。
映画として本作が致命的なのは、何より主人公"マーヴェリック"の成長がないこと。批判覚悟で言うならば、「伏線回収もメッセージ性も何もない、ただただトムクルーズがカッコいいだけの映画」であるわけだが…それの何が問題なのだろう。
誰も不快にさせるようなジョークがなく、誰も嫌な思いをしないハッピーエンド。
目の前に映るのは、間もなく還暦を迎えるとは思えない鍛え上げられたトムの肉体美と、もはや俳優ではないそのキャプテンたる飛行機の操縦。
口が裂けても「これが映画だ!」とは言えない。
だが、これも映画である。いや、これも映画の成せる技である。
難しいことを考えず、ただ座席に座り、誰も観たことがない別世界に連れて行ってくれる2時間半。
それはトムのスター性ゆえなのか、圧倒的な映像の迫力ゆえなのか、理由は様々あるだろうが、無意味に「いぇああ!」と声を上げたくなったのは久しぶりである。
なんでこんな時代にトップガンなのだろう…と考えてしまっていたが、そんなことはどうでもいいのかもしれない。
ただただ観客を楽しませたかっただけの映画なんて、粋すぎるだろう。。。