ひろひろ

シン・ウルトラマンのひろひろのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
5.0
なるほどな…というのが、観賞後の素直な感想。

「混迷の時代に生きるすべての日本人に贈る、エンターテイメント超大作」
正直私はこのキャッチコピーと本作のズレを感じたところがある。

いや、もちろんテンション爆上がりシーンも多数、というか…総じて最高に面白かったのよ。

だけど…『シンゴジラ』と比較してしまうと、やや観客が選別されるというか、人を選ぶというか、いろんな意味で「浪漫」の2文字で片付けられた感が否めない。

庵野作品は決して嫌いじゃない。
今回監督を務めた樋口の作風も毛嫌いすることはない。
だけど…超大作を真っ向から勝負せず、「自虐」や「浪漫」に逃げる節があると、厳しいことを言いたくなってしまうのは何故だろう。笑

自分自身を含め、日本は昔から、人情噺ではないが…どこかエンターテイメントとメッセージを切り離して考えることが、ある種の美徳と思っているのかもしれない。
しかし、本来はメッセージなんて表現するものではなく、観客が勝手に受け取り解釈するもののような気もする。

こんな馬鹿なことやってるのに、実は深いメッセージがあって…とか、こんな娯楽まみれの作品なのに、実は裏テーマがあって…とか、それが非常に上手く作用するときもあるが、多にして"ファン"ではないと、それに冷めてしまうのも正直なところ。
本作が『ウルトラマン』ではなく、『シン・ウルトラマン』であった理由は何だろうと…私はそのモヤモヤの中でグルグルしている。

ま、気付けば米津の歌を鼻歌で歌ってしまうくらいには楽しんでるんですけどね。

noteでは、鑑賞後自己内で賛否が起こった理由について書いてます。良ければ。
https://note.com/sydligwillow23/n/nb7c0104583ef
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