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富江 アナザフェイスの消費者のネタバレレビュー・内容・結末

富江 アナザフェイス(1999年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

・あらすじ
1話
女子校生、美紀の通う学校の生徒、富江が何者かに殺された
美紀は生前の富江に恋人、高志を奪われた過去があり落ち込んだ彼を元気づけようとする
しかし直後、殺されたはずの富江が現れて…
2話
美女専門のカメラマン、森
数多の美人を撮ってきた彼だったが学生時代の初恋である美少女を超えるモデルに出会えずスランプに陥っていた
そんな状況を脱しようと地元に戻った森は彼女の影を追うかの様に彷徨った末にとあるバーを訪れる
そしてそこにはあの美少女と瓜二つの女性が…
彼女の名は富江
早速、森は富江をモデルとして撮影していくが写真に映された彼女の姿は異形その物で…
3話
富江と付き合う男、安田
彼は完全に彼女の虜となっていて短い交際期間などお構いなしにプロポーズをする
だが富江の返事ははっきりしない
そんな2人のデート中、突如現れた眼帯姿の謎の男に彼女はナイフで刺されかける
その事件を契機に富江は安田に謎の男、太田を求める様になり…
という3話構成の短編ホラードラマ作品

・鑑賞理由
ホラー漫画家、伊藤潤二の代名詞とも言える作品「富江」の実写化作品シリーズの1作という事で原作は勿論のことこれまでに観た劇場版もそれなりに好きだったので鑑賞

・感想
実写1作目の公開後に製作された3話の短編ドラマをまとめて1作としたのが今作で富江を演じるのは3話全て永井流奈
また謎の男、太田も1話目からずっと富江を追う男として登場している
この構成自体は何度殺されても復活と増殖を繰り返す富江の設定が活かされていて良いと思う
ただ肝心の富江の描かれ方がいまいち怖くないのと劇場版では見られた原作を踏襲した気持ち悪い描写もほぼ無かった事もあってただ不老不死で何人もの男をたぶらかすだけの少女という感じにしか見えなかったのがとにかく残念
更にカメラワークも下手で1話目の復活した富江が姿を現す場面の仁王立ちで下から映されたショットなんかは特に酷かった

殺しても切り刻んでも燃やしても蘇り、時には人体に寄生までするっていうのが富江の怖さと気持ち悪さ
なのにゴア描写が無いせいでそこが全然感じ取れなかったのはテレビ放送向けに作られた作品だから仕方ないのかもしれない
けどそれならせめて分裂や復活の描写でゴアじゃない方向の気持ち悪い描写くらいはして欲しかったな…

他にも同じくらい大きな問題点があって本作では富江と関わった男達が3話に出て来る安田くらいしか気が触れてないんだよね…
あの男を次々に狂わせていく能力こそが富江の魔性の少女としての魅力に繋がってる訳で…
それが無いと本当にただのタチの悪い悪女になっちゃうのよ…

とまぁそんな感じにとにかく残念さが目立つ作品で、演者の演技力も全体的に微妙だし楽しめる部分があまりにも無かった
“絶世の美少女”という富江の設定は容姿は勿論だけど演技で説得力が出る部分でもあるのになぁ…

・総括
物語と映像、そして演技とどこにも褒められる要素があまりにも無い上に原作が名作漫画だから尚更酷い出来に感じてしまった
テレビドラマと言うより主演、永井流奈のイメージビデオみたい、というのが感想
実際、彼女はグラドルだった様だし本人としても製作陣としてもそういう風にしか出来なかったのかもね…
それなら撮らなくて良いよって話だけど
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