まりぃくりすてぃ

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

4.4
この映画に途中で飽きの来なかった理由
❶ やることが常にあって忙しい自称支配人ボビーが、常にイイ男
❷ 同じく常に忙しいガキンチョどもが、常にそれなりにカアイイ
❸ 母ヘイリーの髪のターコイスブルーが、常に綺麗
❹ 常にだいたい動きつづけてて目が離せない台本な上に、編集がクレバー

まあ、私にとっちゃどうでもいい人たちの話。モーテルの壁のうす紫とかにはそんなに惑わされなかった。
といいつも、サイダー男やプールの裸婦や敵化するウエイトレスのアシュリーなども味があって、とにかくなかなか飽きないの。

ガキンチョどもは、主役女児ムーニー役も男児スクーティ役も最初は「ヤンチャさんになりきってみてよ」と平身低頭したにちがいない監督に楽しく応えてみせてる程度の“ワークショップ優等生”な演技(に前半ずっと見えた)。私ら観客も、肩に力なんて入れずに「どうせあんたたち普段は良い子なんでしょ」とただ受け流すように観る。
んだけれども、、、、、、じつはその女児たち、最初っからリアルなバクハツなんてすると息切れしちゃうから“あえて長距離走ペースで”ムリなく楽しく演じてたんだ、という重大事実に私は後半の空き家への侵入シーンでハッと気づいた。「これだけ台本通りにフィルムたくさんぶん動きつづけるのって、すごい仕事量だ!」って。
だからやっぱり、ムーニー役のブルックリン・プリンスちゃんを讃えないわけには私いかないし、ストーリー上のヤマがちゃんと来たところでの彼女の涙に(かつての芦田愛菜ちゃん時にはまったく及ばないけど)私の涙も二、三粒誘われたのが、素直に嬉しい。
さらに直後に、涼しげな目をしたもう一人の重要女児ジャンシーが満を持して“ハッピーエンドとは違うマジカルエンド”の伴走者となる!! 宝飾的なこの責任感もスゴイゾ!
よく考えてみれば、古来の“逃避ジャンプ”の一種にすぎないエンドでもある。でも、とりあえず2010年代らしさにピチピチしつつエンドロールの最後に何かハッピーショットが閃くのかもと期待させた監督は、軽い意味でなられっきとした魔術師だ。

ガキンチョのことはまあ、どうでもいいや。ボビー役のウィレム・デフォーの若奥さんに私はなりたい。。。。