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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のcanaのレビュー・感想・評価

4.2
世界最大の夢の国・フロリダのディズニーワールドのすぐ近くにある安モーテル“マジックキャッスル”で暮らす6歳のムーニーの日常と現実を描いた映画。

毎日のモーテルでの生活が主にムーニーの目線で描かれます。
だからか、大人たちのバックボーンに関する無駄な説明はいっさいなく、なんとなく感じ取れるくらいの描写になっているのが良かった。

生活はその日暮らしだけど、
いたずら好き(の度を結構超えてわりとクソガキ笑)で純粋な彼女から見た世界は、いつも楽しい冒険で溢れてキラキラしていて、何か忘れていたことを思い出すような懐かしい気持ちになりました。

ウィレム・デフォーが演じる、問題も多いモーテルで時に厳しくムーニーたちを見守る管理人のボビーが本当に優しい…。
かくれんぼのシーンが微笑ましかったな。

全身タトゥーだらけ・無職・素行も悪いシングルマザーのヘイリーは、どう見ても問題だらけなんだけど、娘が大切だって気持ちだけはところどころで当たり前のように自然に伝わってきて憎めなかった。
ラスト近くでのランドリーでのやりとりは表情が見えなかったけど逆に涙腺に来た。

パープル色のモーテルはじめ、フロリダの青空、周辺のポップなおみやげショップなど、画面は常にカラフルでフォトジェニック。

そんな中で少しずつ影を落とす苦しい現実が親子に突きつけられていくのが皮肉でつらい。

…からのハッとさせられるようなラストシーン!
あのシーンだけiPhoneで撮っているらしい。
まさに魔法にかけられました!

うまく言葉に出来ないけど、個人的にはとても好きなテイストの映画。
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