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ビール・ストリートの恋人たちのreifのレビュー・感想・評価

4.0
この予告で誰が観たくなるのかね、と気を削がれるも、バリー・ジェンキンスを押さえとくかという良心的な観客で有難いと思え。

キリング・ミー・ソフトリーは劇中で使われない

非道にも程がある。日本配給は営業妨害で本国から訴えられてしまえ。本当にひどい。

原題は『ビールストリートに声があれば』という悲痛なもので、内容もラブストーリーじゃなく邦題は間違っている。そりゃ主役は若いカップルではある、初デートなど可憐で胸キュンである。しかしテーマは「黒人が置かれている過酷な状況と、そこで根強く生きる人」であり、『ムーンライト』と同じ。バリー・ジェンキンスは、彼の召命を真面目にやっているのである。感情表現の偏執的な繊細さと、色合いの美しさ。少女漫画と思って観るといいと思う。少女漫画がわからない人にはバリー・ジェンキンスの表現は届かないかもしれない。個人の見解です。

対照的なお母さんが二人。プエルトリコに単身乗り込むママが最高で泣けた。彼女だって、弱い人なのである。あと今作の怪演は黒人映画に欠かせない白人悪徳警官、凄い。この人は犯罪者しか演れないだろうという邪悪なオーラが出ていた。ヒスパニックのお兄さん、いい人でしたね! 小さいハンサム、ああ誰も名前がわからない…。全体的に、「あなたの知らない世界」感が味わえる作品でした
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