アメリカの田舎町で、娘を無惨に殺された母親が、一向に事件を解決出来ない警察に抗議すべく3枚のビルボードを設置。
物語は「殺人犯は誰か?」でもなく、
「いかにして殺人犯を捕まえるか?」でもなく、
このビルボードが発端となり、あたかも池に石を投げた水面に広がる波紋のように、町の人々や警察に思わぬ影響を及ぼしてゆく、先が読めない展開。
そりゃ、人が少ないド田舎で目撃者も無く、物的証拠も乏しい殺人事件なんだから、なかなか犯人逮捕出来ない警察を責めるのは酷だろうと思ったりしたが、
ビルボード設定以降に起きる数々の事件の犯人も特定・逮捕出来ない警察は、やはり控え目に言っても無能感は否めない。
オマエら、ホントに犯人探してるんかい?!
と、疑心暗鬼にもなるわな。
登場人物の誰もが、善意と悪意、正義と不義の狭間で苦悩する。
深刻な話にも関わらず、随所にユーモアを感じて笑ってしまったり、
「人間って捨てたもんじゃないなぁ」
と、ジンときちゃったり、
色々な意味で予測不能な映画だったなぁ。
いや、素晴らしい。