ぬーたん

スリー・ビルボードのぬーたんのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.6
数日間の旅行なのに後半は映画が観たくてウズウズして💦
で、久々の映画!
評判は良いし、賞も取ってるし、期待は大きかった。
実際に面白かった!出だしからそのアイディアに驚かされ、これ一体どう展開していくのか?とワクワクさせられた。
その展開の行き先が思いも依らぬ方向に行くし、何だかサスペンスでも観ているよう。
登場人物は殆ど皆、キレ易く、行動も早い!
その行動の程度は尋常ではなく『24』のジャック・バウアー並みに攻撃的且つ恐れ知らず!まあ、あり得ない💦
警察官自体がそうだから、もう無法地帯みたいなもん。
この辺りはコメディーっぽい。

主役のミルドレッドをフランシス・マクドーマンド。
とにかく迫力があり存在感は凄い。
20年前の『ファーゴ』ではお腹の大きな警察官役で主演女優賞。
今作でも主演女優賞を獲得。その演技力は折り紙付きっていうことね。
その授賞式でも、やや変人っぽいノリと興奮で、夫君のコーエンさんも大変かも?なんて思っちゃったり。
ウィロビー署長をウディ・ハレルソン。
殺し屋の父と弁護士秘書の母という生まれも驚くが、本人もその血を引いたのかマリファナで捕まったり、色々事件を起こしてるお騒がせマンである。
『ラリー・フリント』は良かったし主演男優賞にノミネートされた。
その他映画の本数は多いしドラマも出ている。
『TRUE DETECTIVE』が大好き!
今作では優しく穏やかな署長で、鼻息荒い男たちをいさめる中立的立場でずっと居るのかと思ったけど…。
ディクソン巡査をサム・ロックウェル。
珍しく結婚歴がないがゲイではない。
『月に囚われた男』では一人芝居で魅了された。
顔がトム・クルーズっぽく見える時がある(ない?)
今作の役はその感情や行動が変わるのが難しい。
最初は憎たらしく、やがてその逆に思えて来る。
その演技で助演男優賞をゲット。
『ゲーム・オブ・スローンズ』のピーター・ディンクレイジは見かけも演技も個性的。梯子を持っているシーンは可愛かった。
この作品ではイケメンも美女も出て来ない、やや年を食った演技派がずらっと出て来る。

『ファーゴ』にちょっと似ている。
片田舎の小さな町。事件。
警察官が主役。ブラックユーモア。
暴力的。
アメリカらしい設定で、その展開もザックリとして、細かい捜査やその後のことなどは特に描かない。
一番残念だったのは、個人的にどのキャラもあまり好きにはなれなかったこと。
好きになりかけるが、居なくなるし、或いはその後の行動が解せなかったり、感情移入がキチンとハマらなかった感じ。
音楽や色彩、店や街の雰囲気も寂れていていい感じだった。
あの、ラストは良かった。
キチンと締めることはない、こんなラストもなんだか≪らしい≫と感じる作風だったね。
もう一度観たら、主人公を好きになれるかも?
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