もやし

ブリグズビー・ベアのもやしのレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.9
感動したわあ…
すごく良い映画だね。これはヒューマンドラマをそんな見ない人にもオススメできます。


主人公は30歳ぐらいかな? ある日両親が逮捕され、警察の説明によると、その両親は実は赤の他人で、あなたを幼少期に誘拐してずっと監禁していたんだと聞かされる。
そして監禁されている間唯一の娯楽としてあったのが両親の手作りのブリグズビー・ベアというビデオだった。


もう30ぐらいだから、価値観の下地は完全に誘拐時のもので固まってしまっている(人間は26ぐらいで価値観の下地が確定するらしい)。
それを思うととても恐ろしい話。

でも本人は全く恐ろしいとは思っておらず、そこがこの映画が見やすい理由でもあると思う。

主人公のピュアすぎる価値観にかなり癒される。

自由になってからどんな話を聞かされても、主人公の興味はとても狭い。ブリグズビー・ベアが頭から離れない。
ブリグズビー・ベアで描かれている前向きな価値観に主人公はかなり影響されており、そこが何とも泣ける部分だった。
担当刑事が役者の夢を諦めたという話に、夢を諦めるなんてそんなのあり得ないって心底不思議な顔をする主人公が印象的だった。

主人公にとって作品はあくまで受けとるものだったが、自分でも作れるということを知ってブリグズビー・ベアの続きを全力で、それこそ諦めずに制作する。

映画オタクの人とブリグズビー・ベアの話で盛り上がって理解者が徐々に増えていく感じはとても良い気分になる。



やはり大きな歪みのある映画で完全に楽しんで見るという風にはできずどこか引っ掛かる部分はあるのだけど、でも本当に良い映画。泣きそうになった。
テンポも早く、本編時間も90分ぐらいでとても見やすいです。
もやし

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