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赤色彗星倶楽部のKKMXのレビュー・感想・評価

赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)
2.0
まったく好みではない作品だったため、面白いとは感じられませんでした。

しかし、芸術についていろいろと考えることができたため、観た甲斐はあったかもしれないな、なんて思っています。

本作を観て感じたことは、とにかく技巧に凝っているな、というものでした。カメラワークとか、無音で感情表現するとか、写真のフラッシュにその場にいない子が映るとか、他にもいろいろと印象に残っており、それはすべて技巧的なものです。で、それらの技術は、すべて技術単体で存在しているように感じました。ドラマのために、いや登場する血の通った人間のためには使われていないと思います。悦に浸ってテクニックを披露しているので見てる方は醒める、みたいなイメージです。

本作には魂がないように思えました。まるで魂に触れることを恐れている印象すら受けます。途中のベタなお涙展開は「とりあえずこんなの入れとけばいいんじゃない?」といった傲慢さすら感じました。
核心に触れられないが故に、実存主義を引用したり、ギャグのようなものでごまかして逃げるのだと思います。

だからダメとは思わないし、テクだけで評価されるクールな芸術はあるとは思います。ただ、個人的にはダサいしクソだな、と思った、それだけです。
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