みーやん

セブン・シスターズのみーやんのレビュー・感想・評価

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)
3.4
最初に書いておくとノオミ・ラパスはかなり好きな女優さんです。のわりに暗い過去を持ったトサカ頭のハッカーだったり交通事故で顔に傷を追ってたり嫌いなものをとことん押し付けられるショック療法みたいな目にあったりとハッピーな感じのしない役回りが多いイメージで、未来世界で一人七役!ほう!どれどれSFアクションならきっとハッピーエンドになってくれるはず!と鑑賞。

あらすじにあるとおり、一人っ子政策の超ハードコア版が展開する未来社会で7つ子が生き延びていく話ということで、7つ子だってことがバレるのかバレないのかっていうところだけによりかかったサスペンスだったら絶対飽きるよなー困ったなーと思ってたらわりとそれは話の焦点からあっさり外れていってホッとした。一転して主人公が7人いるということで複数の主人公に同時進行的に危機的状況が訪れるあたりはテンポもよくなるし、うまいこと考えてますね。

それが可能なのもやっぱりノオミ・ラパスの演技力なのかな?多重撮りでも会話やアクションの流れが不自然にならないようなテクノロジーと撮影技術の賜物って部分もあるのかも。設定的には7人が入れ替わり立ち替わりのドタバタコメディーみたいになりかねないのを、そういう雰囲気を出さずにハラハラドキドキさせてくれるのもブレてなくてよかった。

ちょっとご都合主義的な部分もあるけど、まぁ全体的にはちゃんとおさまってるんじゃないだろうか。とはいえ、ちょっとこの映画そのもののレビューとは話がそれるけど、こないだ観たイット・カムズ・アット・ナイトでは説明不足なところやつじつまがあわないところもなんとなくトータルで気にならなかったように思うけど、この映画だとそういうわけにいかずなぜか(小さいながら)不満を覚えてしまったのも事実で、何が違うんだろうと考えてしまった。まだ仮説段階だけど、世界観や設定をしっかり作ったうえでそれを冒頭である程度かっちり見せておいて話が進行する方向の話と、いつどこのどんな原理で動いている世界なのかがそこそこはっきりしないまま始まる(その後の展開である程度クリアになる場合もあるし、はっきりしないまま終わっちゃうこともある)話とで違ってくるのかなと思う。リアリティラインって言葉があるけど、それをもじるならクラリティラインみたいなのが作品のベースにあって、それが基本的にもわっとしてたら色々ともわっとしてても気にならないし、ベースラインがかっちりしてるとところどころ辻褄があわなくなったときにあれここ変じゃね?って感じてしまうのかな。

とまあ脱線したけど、ふつうにSFサスペンスアクションとしてめっちゃおもろいです!個人的にはタイムとかイリジウムとかルーパーとかと同じ感じ同じ程度の面白さ(雑なくくり)の引き出しに入れときたいと思います!

ネタバレ的に抵触しそうな感想・疑問はコメントに書きまーす。
みーやん

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