翼

ワンダーウーマン 1984の翼のレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
4.5
1984年を1910年代から見た輝かしい未来として捉え、色鮮やかな彼の時代を懐かしむだけでなく一つの洗練された時代として解釈し直すのは新しい切り口だった。これをDCEU系列でやるって心構えだけで本作の存在意義を感じる。
ワンダーウーマン作品は単にヒーロー映画ではなく人間讃歌。ツッコミ所は山盛りだけど、それでもダイアナを通じて社会に訴えかけようという意志をところどころに感じる様はヒーロー映画然としている。筋肉ムキムキコスチューム男が悪を裁くだけがヒーローではなく、高潔な思想や健康美、弱ささえ包括して一人のヒーローなのだと物語るダイアナは魅力に溢れている。クソダサコスチュームやショボい装備の戦い方が残念であればあるほど、その人間性の輪郭が尚際立つようでそこに妙に惹かれる。(褒めてる)
「ねがい」という普遍的なものを手にした悪との対峙を、暴力ではなく民衆のねがいで相対するところが実にワンダーウーマンらしい解釈。世界を正すのは力ではない、ってメッセージは米ソ対立と核戦争の緊張高まる時代背景と相まって変に心に響いた。金ピカアーマーは象徴的ではあるけど機能自体はショボいのは暴力に対するアンチテーゼだ!って捉え方は贔屓目すぎるか。

おマヌケ泥棒とショッピングセンターで大立ち回りして助けた女の子にウインクかますヒーロー映画を令和の時代に観れるとは!80年代の色彩がBTTFやホームアローンの色調でもうDNAに刻まれたワクワク感!この冒頭で心掴まれちゃってどんな無茶な設定も飲み込む覚悟ができてしまったw
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