良い!
柔らかい陽光が差す電車で微睡むところは外の寒さを物語る巧みなシーン。雪壁から跳ねるニット帽だけがちらりとのぞくカットとかも好きなやつ…
少年への眼差しはやさしいけれど、過度なあどけなさの演出がなくて良かった。淡々と在る町の景色と対等に子どもが映っているような。キアロスタミ作品を好きな理由と通ずる感覚かもしれない。
思わず浮遊感を誘われるほどの真っ白な画もあったけれど、映るのは青森に住む人々の現実の雪景色。そこの生活音や日常のささやかなノイズと向き合う静かな時間からのヴィヴァルディの春は面白かった。