リミナ

君の膵臓をたべたいのリミナのネタバレレビュー・内容・結末

君の膵臓をたべたい(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

※原作小説は未読

【内容面】
◎冒頭の桜良の葬式シーンや病気の提示により、あたかも死因が病死であることを視聴者にミスリードさせる作り、突然訪れる「死」の理不尽さが描かれている。
◎別れで物語を締めるのではなく、桜良の願いでもあった主人公と恭子が友人となる次への一歩を踏み出すところまで描写されている。
〇メインキャラの数が最小限で描写不足と感じることがなかった。
〇テンポを損ねないよう、キャラの台詞と被せつつダイジェスト的に各イベントの描写が入っている。
〇作中で繰り返し行われる行為(ハグ、腕を掴む、ガムのやり取り)に対して各場面で違う意味合いを持たせている。
△主人公の説明口調が時折気になる。
×中盤の桜良宅での一連は、その後の花火シーンとの対比のためと思われるが個人的には過剰演出に思えた。

【映像面】
◎総作画監督・キャラデザを務めた岡勇一さん、作画監督・原画を務めた小林恵祐さんを筆頭に描かれた適度にデフォルメされたキャラの丁寧な芝居作画は劇場作品に相応しい出来。
キャラのリアリティのある一挙手一投足により画面の説得感が増しより没入しやすくなる(粗に気付き辛くなる)。
〇雨や花火、海岸シーンの煌びやかな撮影。
〇キャラの髪型や服装に複数パターンあることで各キャラの個性が表現され、リアリティが高まる。

【音楽面】
◎主題歌・劇中歌がsumika(完全に好み)、EDで歌詞が表示される。

(大きな括りでの)恋愛ものとして、ヒロインの可愛らしさと主人公の前向きな変化が良作画によって描かれていた点に加えて、主題歌が邦楽ロックバンドという点で自分の中では一つの理想型に近い作品。
個人的に桜良のキャラデザインと性格にLynnさんの声がマッチしていてかなりドツボです、好き。
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