ドラえもんは猫型ロボット

ジェラルドのゲームのドラえもんは猫型ロボットのレビュー・感想・評価

ジェラルドのゲーム(2017年製作の映画)
3.2
「あなたは最初から生き残る術を持っている。ただ思い出せばいいの」
痛い痛い痛い!!
本作品、かなりショッキングなグロロ映像が出てくるので、傷口とか血が苦手な人は閲覧注意で!

〈あらすじ〉
マンネリな夫婦生活を打破しようと、お金持ちの旦那さんに別荘に連れてこられた主人公。旦那さんは、主人公を手錠でベッドに拘束して、やることやろうと思った矢先に心臓発作で帰らぬ人に。手錠はかっちりはまっていて動けない。助けも来そうにない。絶望的な状況から主人公が何とか抜け出そうとするお話。

実際こんなことが起きたら、恥ずかしくて人にいえないワンシチュエーションホラー映画。
こんな出だしで一本書ききったスティーブン・キングはスゲぇなあ。

基本的にはベッドの上で展開する話なのだが、主人公自身を深掘りしていくので、終盤に行くまでは結構面白く観させてもらった。
拘束されたことで、過去のトラウマや自身の心象世界に苛まれ、それに向かい合うことで脱出の糸口を探るという解決方法もありきたりではあるが良かった。

旦那の死体を横に、妄想の旦那や、もうひとりの自分と話すという構図も面白い。

ただ、終盤がなぁ……。
いかにもなキングらしさ全開なのだが、あの展開は、自分はちょっと納得できなかった。
「まあ、たしかに伏線らしきものは張ってたけどもだ!だから?」
と、なってしまったので、点数は低め。

主人公演じたカーラ・グギノの徐々に憔悴していく演技や、旦那演じたブルース・グリーンウッドのムキムキコミカル演技はとても良かったし、キングお得意の日蝕の映像表現も印象的で綺麗だったので、映画としてはとても観やすい。
監督のマイク・フラナガンはこういう幻想的な作品とは相性がいいのだと思う。

まとめると、物理的危機的状況からの脱出に、意外な展開を絡めたホラー映画。好き嫌いは分かれそうな気もするが、スティーブン・キングの映像化作品が好きという人は楽しめると思う。

「いい旅になるよ、ジェシー」
いくらマンネリ打破でも、手錠持ってくような旅は嫌だな。