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サイゴン・クチュールのCisaraghiのレビュー・感想・評価

サイゴン・クチュール(2017年製作の映画)
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えーっとベトナム戦争はいつ頃だったっけ?と最初のうちは考えていたが、話がギュインと急展開するにつれてすっかり忘れていた。

ベトナムのファッション業界が見られるというだけで興味が湧いたこの映画、洋服の流行自体は世界の潮流に準じたもののようだったが、そこに民族服のアオザイが加わるのが日本と大きく違うところ。今でも女性たちの現役のお洒落着で、洋服のように流行り廃りもあるのだろうアオザイ。着物業界が長年衰退の一途をたどり続け、将来、着物の美を生み出す高度な伝統工芸技術の絶滅もあり得るのではないかと心配になる日本とはかなり事情が違うようで、羨ましかった。

展開に驚きはあったものの、話自体に取り立てて新しさはなく--いや、新旧二人の会話がしばし繰り広げられるところは他にあまりない?--細部の詰めも少々甘いと思えたが、ベトナムのセレブの暮らしぶりのもの珍しさと、キラキラしたファッション業界の華やかさと、俳優さんたちの魅力と、美しいアオザイをはじめとしたファッションの力とで十分楽しめた。元気なベトナムのポップスも楽しい。

ベトナムのトニーレオンと呼びたいトアン役の俳優S.Tさんは、ベトナムのボーイズグループ365dabandに所属するアイドルだそうだ。とても感じのいい弟キャラのイケメンだった。お母さん役の方、めちゃめちゃ激しいアクションをこなし、ハリウッド映画にも出演している国民的女優、ゴー·タインヴァンことあのベロニカ·グゥさんだとは、全く気づかなかった!絶対ダンスバリバリに踊れますでしょうに…。
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