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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18 ロイヤル・オペラ「白鳥の湖」のtaruponのレビュー・感想・評価

4.3
まず最初に映像作品として、本編だけでなく、演出のリアム・スカーレットや美術のジョン・マクファーレン、ダンサー達へのインタビューや練習風景なども、インターミッションの後に差し込まれていることで、新バージョンとして生まれ変わった今回の作品の見どころ、各幕の注目点等等が、初心者にとってはよりわかりやすく、こうした映画版であるからこその良さが感じられたと思います。

そして本編について。
私は全幕を通してちゃんと見たのは、初めてだったのですが、バレエの中で「白鳥の湖」がいかに大切で究極の作品かをすごく納得した。
とにかく白鳥が美しい。もちろん、主役たちのパ・ド・ドゥとかは見所なのだが、まずはコールドバレーの白鳥達が本当に美しい。完璧な位置取り、、全員がそろった繊細な動き、羽根を多用した白いチュチュが全体に仄暗い中で浮かび上がり本当に白鳥の動きのように感じる。
インタビューの中でも話が出ていたけれど、ずっと一糸乱れずの待ちの姿勢が実はかなり大変というのもうなづける。ダンサーの動き、全体の構成、美術、衣装すべてがマッチして幻想的な世界を完成させている。

オデット、オディールはマリエネラ・ヌニュスの1人2役だったけれど、本当に動きが美しい上に、オデットのはかなさ、繊細さ、オディールの力強さの対比もすごくでている。何より、脚があんなに真っすぐになるものかと思う程美しい。
ワディム・ムンタギロフの王子様も、背も高くてスタイルそのものがまず王子様だし、跳躍も高く、マリエネラとのコンビネーションも美しくて素敵でした。
そして、今回全幕をみて、3幕の舞踏会場面で、スパニッシュ、ハンガリアン、ナポリ等(あともう一つはどこだろう?)の4つのキャラクターダンスもあったのかと私の中で発見したのも嬉しかった。(ちょっと、こういうキャラクターダンスに今興味ありなので)

あと、ジョン・マクファーレンの舞台美術と衣装が本当に素晴らしかったことを記録しておきたい。
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