まりぃくりすてぃ

殴られる彼奴(あいつ)のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

殴られる彼奴(あいつ)(1924年製作の映画)
4.0
茶番劇だらけの全世界よ、こういうピエロうじゃうじゃ古典佳作映画を喰らえ! 気楽に観れるけど茶番じゃないぞ。原作はピエロ先進国・ロシアの小説。原作がまず偉いに決まってる。
映画としては──
ピエロうじゃうじゃサーカス場面が最っ高!
若い美しすぎる男女(ノーマ・シアラーちゃんとジョン・ギルバートくん)がピクニック場面で横並びで座ってる時のふちどり目と白い歯が二人見事にそっくりフェイスになってたのも、ショット的に最高だった。
主演ロン・チェイニーの、白塗りしてから(=ピエロ化してから)の味感も、絶賛点。キレよし。枯れよし。エモよし。
ところどころの時間帯に物語の歩の悪さがあったけど、どう終わるのか最後の最後まで予測できず、良品。それにとにかく、ちっとも茶番じゃないから、人の生き方を、私たちにちゃんと考えさせる。(現代のサピエンスどもよ、喰らえ!)
シェストレム監督は、あのベルイマンの『野いちご』の主演おじいちゃんだとさ。
まちがいなく良作古典だけども、期待しすぎると「真面目さがほほえましいが、最後もうあと一煮立ち欲しかった」となるかも。。

ちなみに、私はミドルティーンの頃、ピエロ評論家だった。ピエロ絵やピエロ詩をよくかいた。江戸川乱歩の『地獄の道化師』を愛読。そして何といっても、、ピエラ・ピエリ・ピエル・ピエレという四人の兄を殺した罪で一生涯を人笑わせに費やさなきゃいけなくなった罪人が元々のピエロであることを当時突き止めたのだった!!!

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