さよこ

SUNNY 強い気持ち・強い愛のさよこのレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
3.0
サニー観てきました🎉

オリジナル版も鑑賞済み。日本版の予告編を見る限り『90年代の音楽シーンがてんこ盛り』という期待を込めて観に行きました。

ちょうど世代なんですよね。映画の時代設定があたしの中学生くらい。そしてあたしが高校生になった頃には紺ハイソ派とルーズ派に分かれてつつもガングロギャルは健在でした。

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リアル世代から言わせると……えーーー待って待って。ものすごいギャルへの偏見凄くない??て感じ。

クラス全員ギャルってどんな学校なんだよ。しかもエレベーター式っぽいこと言ってたからそこそこ進学校なのでは??(聞き間違いかもだけど)まずありえない設定。

ほとんどのギャルは校則に縛られて生きてて、学校ではすっぴん。渋谷などの街に繰り出すときだけ着替えてギャルやってる子(まぁ、あたしはギャルじゃないけど)がほとんど。なんだかなー…ギャル雑誌『egg』の世界観に影響受け過ぎなような。仮にあの通りのギャルがいたとしたらクラスに数人。だからギャルたちは仲間が欲しくて他のクラスのギャルともつるむんだよね。これがあの頃のギャルと思われたらちょっとショック(ギャルじゃなかったけど)。

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なにより音楽が残念。安室ちゃんは確かにブームだった。TKブームもすごかった。だけどね、浜崎あゆみも小柳ゆきも出てこなくてコギャルブームは語れないでしょう。globe、SPEED、GLAYにラルクでしょう。

海辺のシーンでDJワタルと○○がキスするシーンはやっぱり、小柳ゆき『あなたのキスを数えましょう』流してほしかったなぁ。くぅ。(あ、でもそしたら2000年になっちゃうか)

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テーマ曲かも知れないけど安室ちゃんの『SWEET 19 BLUES』が多用されてて、安室ちゃんに頼り過ぎだし、イメージと違うシーンで流れるし、オザケンをチョイスするのも謎だし。

安室ちゃんのSWEET 19 BLUESは思春期のジレンマというか切なさが売りの曲。というか安室ちゃんが19才のときの曲だし(もはや高校生関係ないし)、曲の良さを削ぎ落としてくれたなぁ…もったいない使い方するなぁ…としみじみ。残念でした。ここぞというという時だけ流してほしかった。。

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コギャル文化を見せるなら日焼けしてるシーンとか「次の髪色これにしようと思うんだけど〜」とか「セーターおそろいにしよーぜ♡」とかあってもいいのに。クエンティン・タランティーノ的なギャルのダラダラ喋りがほぼない。リアル感ないなぁ。

どの大人がどのギャルだったか、あんまりリンクしなくてキャラを整理するの大変だった。特に茶髪の髪長いあの子とあの子。見分けがつかん(大人になった証拠かしら)

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山本舞香の顔立ちが当時流行りで、そう、ギャルってこんな感じ!の象徴だと思った。山本舞香は当時の流行った『女子高生って無敵の存在だよね♡』の空気感そのまんま。素敵でした。

ともさかりえの演技もすごい上手だったなぁ。アル中独特の情緒不安定さに画面がビッて引き締まったよ。

リリー・フランキーの女子高生への偏見は当時あった「おじさんから見た女子高生」そのまんま。マスコミに取り上げられて作られた女子高生のイメージを鵜呑みにしてる感じ。それは当時のギャルたちのモヤモヤをうまく表現してると思う。

そしてこの映画を作ったのも、リリーさんと同じくギャルを色眼鏡で眺めてた「おじさんたち」なんだろうな、と強く感じた。

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笑えるシーンもたくさんあったものの当時の描写がステレオタイプな感じなので点数は低めにセットしました。

【追記】
他のレビュアーさんの感想を読むと「青春そのまま再現!」ていう声が多かったのであたしの時代と微妙に違うのかも。確かにあたしが高校生のときには2000年代になってたし、ギャル系(Egg誌)と原宿系(kera誌、Zipper誌)で真っ二つに分かれてた。そしてどちらも男ウケが悪いと思った第三派閥はオシャレ清楚系(nonnon誌)になってたな。なんだか懐かしい🤗
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