さよこ

無双の鉄拳のさよこのレビュー・感想・評価

無双の鉄拳(2018年製作の映画)
4.2
【気弱でお人好しなマブリーが見れて大満足🫰】
マブリー目当てで鑑賞。再上映されて嬉しい。

🦀全体の感想
これまでオラオラな刑事役のマブリーしか知らなかったので、本作では
・お人好して騙されやすいマブリー
・気弱で平和主義なマブリー
・奥さんの尻に引かれるマブリー
などが観れてとても新鮮だった。

🦀構成
主人公が僅かな手がかりをもとに、拐われた奥さんを探しに行くのだが、事件が起こる前の日常パートが良いフリになっていて、やがて点と点が繋がり、丸ごと伏線回収に使われる構成はお見事だった。

🦀演出
人身売買の描写など、ともすると重たい雰囲気になりそうなところを端役の仲間たちがとてもコミカル(あと悪党たちも軽やかな雰囲気)なので重くなり過ぎず、とても良いバランスだった。若干つらいシーンもあるけど韓国映画にしては柔らかい表現にしたと思う。

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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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🦀好きなアクション
バックドロップ決めるかと思ったら、そのまま天井にぶっ刺して引きずり回すの化け物すぎる。笑った。

🦀主人公
お人好しで揉め事が苦手な主人公の過去が語られたとき、さらっととんでもないエピソードが紹介されて、おいおい悪党たち命が危ないぞ?と思った。そしてなるほど自分自身のパワーを自覚してるから普段誰かと揉めないようにしているんだなと主人公の性格に妙な納得感を覚えた。弱い犬ほどなんちゃらの真逆すぎるんだなぁ(褒めてます)。

🦀奥さん
主人公の仲間はジスのことを「天使のように優しい奥さん」と評していたけと、実は芯が強くて、怖いもの知らずな一面もあって、このくらい強くないと猛獣使いにはなれないんだなって思った。お似合いの二人。

🦀悪党
物凄い悪いことをしてるんだけど、元から道徳心が抜け落ちているような純粋さもあって、悪党なんだけど嫌いになれないヤツだった。動きもなんかコミカルだし、こんなに抜けた雰囲気でエグいことやってるギャップも良かった。この悪党にとって人身売買は趣味と実益を兼ね備えた天職だっただろうなと思う。良心を持ち合わせていないうえに、共感性も低く、自分の心が痛むことはほぼないから、他人の傷付いてる姿への好奇心が抑えられないように見えた。大胆不敵な行動力や他人に付け入る能力をなんとかポジティブな方向に持っていけないかと考えてみたんだけど詐欺師しか思いつかなかったのでダメでした。

🦀その他、いろいろ
・借金過多でもお誕生日を祝うの可愛すぎ
・家で襲われるシーンは戸締まりが意味なくて怖かった…チェーンもオートロックも突破するなよぉ…
・人探しのやり口は見てて楽しい
・この二人は兄弟なのかな。弟のほうが老けてるぞ
・え、28才…?そんなわけ…50代でしょ
・どうせこんな紙切れに価値はないと、取り分の5%で交渉するのうまい。しかし大逆転で残念。
・やりすぎだよって窘められたあとに拷問器具を自作するの鬼すぎる。怒らせちゃいけない。
・プールで競争するシーン、観るのツラかった
・自白してないのに裏切り者扱い!警戒心MAX!
・俺ばっかり悪いみたいじゃんの交渉術は、さすがイカれてるなって思った。
・人をお金に換える才能がやばい
・あちこちに名刺配っちゃうビジネスマン風な悪党
・誰も取り返しに来ないのは恐怖心だけじゃなくて一度お金を受け取ってしまったという罪悪感。
・誘拐犯からお金が払われる斬新なシステム
・ドジ踏んだ部下を処分しないの意外だった
・あいつ刑事だったのか…!の早とちり可愛い
・悪党の打たれ強さ。さすが👏
・壁の向こうで地響きするのはもはや怪獣なのよ
・仲間の二人組のへなちょこパンチ
・エンドロールの収め方が好き。カニ🦀

【余談】
以前どこかで「喧嘩の強い職業=漁師」の説を聞いたことがあって、なんでも漁師は海で自然の脅威と戦いながら仕事をしているので"命"に対する肝が座ってて(人間より海のほうが脅威だし)、力仕事してるから体力おばけだし、ヤのつく本職の人にも負けないんだとか。本作の主人公は漁師ではないけど市場で働いているのでどことなく親和性もあり(漁業仲間がへなちょこパンチなのは置いといて)主人公の腕っぷしが強いのも妙に納得だった。
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