ウツボ

ハングマンズ・ノットのウツボのレビュー・感想・評価

ハングマンズ・ノット(2017年製作の映画)
4.5
陰陽の最悪がぶつかり合う、最悪を突き詰めた悪趣味全開勝手に殺しあえ暴力コメディです。
好き嫌いはそりゃもう別れますが、楽しめた側の感想として。

まずヤンキーもコミュ障もとことん狂ったキャラとして強烈にデフォルメされ、悪趣味を素直に楽しむことができるように設計されています。
しかし裏付けのない狂い方ではなくて、ヤンキーとコミュ障の特有の悪癖やこれに至る育ちが窺える設定をうまい具合に散りばめて説得力を持たせながら狂わせています。
よく観察してるな〜とか、狂人への理解が深いなと感心しました。
それでいて同情の余地や好感度が上がる言動なんて微塵もない素晴らしい徹底ぶりが最悪を揺るぎないものにしていて安心します。
助かる〜

こんなあらすじに惹かれる人を全力で楽しませるぞ〜と、倫理観だとかリアリティだとか余計なものを投げ捨ててこのエンタメ性を突き詰めてる姿勢はなかなか見れないのでもう助かりまくりですね。

また暴力や殺人の発生テンポが異様に良くて、ていうか最早怒涛の勢いなんですがそれがまたうまく不条理ギャグの枠に落とし込まれているので何度も笑わされてしまいました。
(笑えない死もあるけども)
笑いどころと言えば葬式のシーンは必見です。
多分今の邦画一面白い葬式シーンではないでしょうか。
監督の発想には脱帽ですよホント。

最初から最後まで嫌なものしか詰まっていないけど、それが観たくてやってきた人としては注文通りのメニューが出てきてよかったなあと嬉しくなる内容でした。
好きだな〜この映画
ウツボ

ウツボ