やまぞう

予兆 散歩する侵略者 劇場版のやまぞうのレビュー・感想・評価

4.0
「予兆」というので、「散歩する侵略者」の前日譚かと勝手に勘違いしてました。

あの侵略の出来事における、別の夫婦の話だったのね。

思えば、侵略者のガイドの役割とかも若干違うような。

ただ、人類が侵略者によって滅ぼされるかもしれない未曾有の危機なのに、
人類を救うために奔走するようなハリウッド映画にありがちなヒロイズムが一切無いところは一貫しているな。

興味深かったのは、「散歩する侵略者」でも『家族』という概念を奪われた人物と、今作で同じ『家族』という概念を奪われた人物の反応が違うところである。

即ち、概念って、その人物がどのように捉えているのかによって違うのじゃないのか?

だったら、一人の人間からその概念を奪っても、侵略者達はどれだけ人間の事を把握できるのだろうか。
と、疑問に思った。

個人的には「散歩する侵略者」の方が好みですが、黒沢清監督らしい不吉な予感が全編に漂う感じはグッド。
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