坂本龍一には、静物や、物体の移動の音が聞こえるのかもしれない。
彼によれば、音楽を製作するうちの50%は、音楽を聞いている、ということだ。
彼が世の中に出したくなかったアルバムのライブ、彼が生活で収集した音のサンプル。
水、ガラス、棒状のゴム、一体どういう楽器なのかはわからないが、もはや坂本龍一にとってはどうでもいい。
目の前にある音どもが、収束され1つの音となり、計算され、放たれる。
見ていることが、聞いているものとなる瞬間を捉えられる、そんなライブ。
これが、本当にライブで聴けないことというのがとてももどかしい。