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カメラを止めるな!のBellのネタバレレビュー・内容・結末

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

元々、ゾンビ物というのは知っていたのですが、それ以上の前知識はありませんでした。

でも、8月半ばに、映画館で初めて、『カメラを止めるな!』の予告編を見て。
それで、単なるゾンビ物モキュメンタリーではなくて、「ゾンビ映画を撮ろうとしていた撮影クルーが、本当のゾンビ事件に遭遇してパニックになる」という映画を撮影するクルー達の物語である・・・ということを知りました。

なので、予告編でネタバレ知っちゃったのかなぁ?と思いつつ鑑賞したのですが……。

いやいや、いやいや!!

とにかく、凄かった!! 

面白かった!! 

という言葉が真っ先に出てきました\( ˆoˆ )/

是非是非、たくさんの人に見てほしい映画です。ゾンビ物が苦手な人にも、めっちゃお勧めしちゃいたい!!

まず、冒頭の37分ワンカットの、ゾンビ物モキュメンタリーが凄かったです。
よく、37分もノーカットで続けられたなぁって。

で。

そのワンカットが素晴らしいとしても。。。

この冒頭のワンカット映画、色々と「???」と思うポイントもあるのですね。

とりあえず、これを見る限りでは、この冒頭の37分ワンカットは、作中作・・・つまり、ゾンビ映画を作っているんだなぁというのは分かるのですが。

その先の展開が読めなくて!!
ワクワクしながら見ていました。

そして、作中作の37分の映画が終わり、エンドロールが流れる・・・。

すると、ここから、今まで見て来たストーリーが、ある意味、ガラリと変わって、再度、始まります。

「この映画は二度始まる」という、ポスターに描かれていたキャッチコピー、まさに、その通りでした。



という訳で。

月日は遡り・・・。

主人公の映画監督の元に、生放送で、且つ、ワンカットのゾンビドラマを制作してほしいという依頼が来ます。

そう。
なんと、最初の37分のモキュメンタリーは、生放送でOAされた映像だったのです。

まさか、そんな設定だったとは・・・驚きです。

しかし、なぜ、監督自らが、監督役として出演していたのだろう? 
元々、監督役の俳優さんもキャスティングされてたのに。。。
そして、クルーのメイクさん役も、女優さんが決まっていたのに、なぜか、冒頭の映像では、監督の奥さんが演じてなかった?
・・・と、色々な「???」が頭に浮かびました。

この「???」が、ちゃんと伏線回収されていくのですよ。


とにもかくにも、生放送。

失敗は絶対に許されない現場です。

にも拘わらず、当日本番、これでもか!というアクシデントが起こりまくるのですよね。

肝心の監督役の俳優さんと、メイク役の女優さんが2人揃って、ロケ現場に到着しない。
はたまた、キャストの1人にアル中の俳優さんが居て、本番直前に泥酔。
そうかと思うと、また別のキャストは、お腹を壊し、OA中に、現場を抜けてトイレに駆け込もうとする。。。

これらの問題に、まずは、監督自らが、監督役の俳優として出演しつつ、メガホンを取る・・・という形で対処。
更に、メイク役には、元女優という監督の奥さんが代役で、臨みます。
しかし、元女優のこの奥さん。とんでもないトラブルメーカーで、行動が予測不能。

更に、酔っ払い俳優さんに、トイレに駆け込もうとする俳優さん。

彼等が台本を大無視して、勝手に動き回るのを、監督が、役の監督を演じつつ、なんとか軌道修正!

・・・と、そんなこんなのドタバタコメディなのです。

何といっても生放送!!

何があっても「カメラを止めるな!」という、監督の執念が凄いです!!


そしてそして。

何が面白いかって、同じシーンでも、見ている側の主観で、こんになも、違う光景に見えてしまう・・・ということ。

たとえば。

作中のシーンで、メイクさんが、キャストに、護身術を披露する・・・というシーン。

物語とは全然関係ない護身術の話が唐突に出てくるのですがね。

でも、それも、本当にゾンビが出るかもしれない・・・という不気味な空気の中では、何か話してないと、怖い、この不気味な空気を変えたいっていう想いからの行動で、緊張感のあるシーンにも解釈できます。
てか、冒頭では、そういう風に見ていました、私。

また、実際にゾンビに襲われた後に、皆で、無事を確認するシーンも。
くどいほど、何度も何度も、無事を確認し合って、
「怪我が無いことはいいことよ」
とか、よく意味の分からない事を言ってたりするキャスト達。
でも、これも、ゾンビに襲われた直後という極限の恐怖の中で、パニックになってるから・・・と解釈出来ますし。

けれども。
しかし!!!!!

本当は、これらは全て、計算された演技ではなく、生放送の間を持たせるための時間稼ぎで。

台本にはないシーンなのですよね(笑)

最初、何も知ららずに、ゾンビ物として見ていた私達には、極限の恐怖からくる意味不明な会話に見えてましたが、実際、テレビ調整室にいて生放送出してるスタッフには「何、やってるんだ、アイツ等???」って、ウルトラとんちんかんな光景にしか見えない。

そのギャップが、もう、大爆笑でした。

また、迫真のゾンビの演技・・・かと思いきや、単に泥酔して嘔吐したり、挙動不審だったりしただけとか。

断末魔の悲鳴に聞こえたのは、お腹を壊して、1分1秒争ってトイレに行きたいのに、行かせてもらえなかったから、とか。

ゾンビ映画の裏側が、とにかく大爆笑なんです。

最初に「???」と思った、冒頭の37分ワンカットの伏線回収が見事過ぎて。

何度か見ると、より新しい発見があって、面白そうだなぁと感じました。

物語中では、行き当たりばったりで作られたドラマとして描かれていますが、これ、本当は、超綿密な台本の元、撮影されているっていうのが、ヒシヒシと伝わって来て。
その作り手側の熱意・・・というか、プライド、いや、執念・・・かな?笑

とにかく、これを映画として作り上げるって、凄い!!としか言葉が無かったです。

また、この作品、ゾンビ物モキュメンタリーであり、その裏側を描くコメディであり、更に、感動の人間ドラマでもあるところが素晴らしいと思うのです。

ギクシャクしていた父娘が、この生放送ドラマを通して、絆を取り戻したり。

また、バラバラだったキャストや撮影チームが、生放送ドラマを作りあげる為に団結し、一丸となって頑張るようになったり、と。

生放送という短時間の間に、家族も、撮影クルー達も、一気に成長しているのですよね。

そこが、大きな感動でした。

ゾンビ物、コメディ、人間ドラマ・・・と、色んな側面を持つ、この映画、最高に面白かったです!!


DVDとかBlu-ray、出るよね??

絶対、欲しい~(*><*)
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