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ドント・ウォーリーのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
3.5
暴走する電動車椅子じいさんホアキンと詐欺師にしかみえないジョナ・ヒルの映画(ひどいまとめですまん...)。風刺漫画家ジョン・キャラハンの伝記映画で、感傷的要素と温かみ、ユーモアがバランスよく織り交ぜられ、アートとコメディの偉大なる力を感じる作品でありました😊

時系列がぐちゃまぜになっていて不思議な作り。芸術家が依存症リハビリ、グループカウンセリングを通して人生を振り返る感じは「ロケットマン」を彷彿とさせるも、あれは一応時系列通りだった。

に対して、本作はホントぐちゃまぜで、テーマ諸々の要素と物語の起承転結は最初の2~30分ですべて提示されており、あとは微妙に場面を替えてリピートされるのみ!これは、実際のジョン・キャラハンが、同じ話を何度も繰り返す癖がある人(たぶんアルコール依存時に発症したコルサコフ症候群)だったからそうなっているという説もあるらしい。

皆様の感想に同感で、とても周囲の人や環境に恵まれている。だからこそすんなり神を信じられるのかもしれませんね。主人公の人懐っこい性格も多いにあると思いますが、とにかくいい人ばっかり出てくる。そんな中、ジョナヒル演じるAAグループの支援者は際立って"怪しい"。

後半できっと豹変して裏の顔が露わとなり主人公の全てを奪う!とかいう展開を期待してしまう(笑)。が、全然そんなことはなく、変な予想をしてしまったばっかりに終盤のシーンは感動というより拍子抜け?

なんで彼をこんな詐欺師っぽく描いたの?ジョナ・ヒルの演技のせい?それとも脚本の問題なのか?ようわからんけど、とにかく絶対信用してはならぬヤバい人にしか見えなかった。

飲酒運転もダメだけど、電動車椅子の暴走も同じくらい危険だと思うぞ。でも、ちょっと楽しそうで真似してみたくなったのは内緒です🤣

風刺漫画の魅力も伝わってきました!世の中の不条理をアートに落とし込む過程で、様々な角度からそれを見直し、そこに可笑しさを見出し表現する。そうすると不思議なことに怒りの感情がユーモアとともに穏やかにほぐされ、そしていつしか赦しにつながっていく。これが、主人公の経験していく心の変化とも重なり、説得力あり。今後風刺漫画を見る目が変わりそう。

というわけで、主人公の人柄や作品だけでなく、風刺漫画というジャンルそのものの魅力が伝わってくる映画でよかったです😊
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