回想シーンでご飯3杯いける

ジム&アンディの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ジム&アンディ(2017年製作の映画)
3.0
「マン・オン・ザ・ムーン」撮影時のジム・キャリーを追ったドキュメンタリーという事になっているけど、、、、これは「マン・オン・ザ・ムーン」を観た人と、そうでない人で、全然感じ方が変わると思う。

「マン・オン・ザ・ムーン」は'70年代にアメリカで一世を風靡した毒舌コメディアン、アンディ・カウフマンの半生をジム・キャリーが演じた作品なのだが、アンディの芸風は毒舌のみならず、別人格を演じたり、「やらせ」で視聴者を騙す等、かなりキワキワの人物だった。

本作に映るジム・キャリーは、(マン・オン~用の)カメラが回っていない時も含めて完全にアンディになりきっていて、普通に考えれば「ジムって役になり切る役者なんだ」ってなるのだろうけど、先に書いたアンディの芸風を考えると、ここでのジムにとって、ドキュメンタリー自体がフィクションの作品(演技)になっていると考えるのが妥当ではないだろうか。いずれにせよ、ジムの役者としての個性を強く感じさせる作品だ。

他には、デビュー当初のほぼ芸人に近いジムの映像も収録されている。変顔と奇妙な動作を連発する芸風は、ほぼ柳沢慎吾(笑) こんなお馬鹿な芸もプロフェッショナルと認められ、国民的なスターとして成功する道が開かれるのが、アメリカのエンターテインメント産業の良い所だと思う。