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ブレッドウィナー/生きのびるためにのWICCAのレビュー・感想・評価

3.5
アフガニスタンが情勢が話題になっていたので、ちょうどNetflixでも観られることに気付いて再鑑賞。

女性だけで外にでてはいけない社会。父親が兵士に連行され、残された家族は女ばかり。11歳の少女パヴァーナは、少年の格好をして町で働き始めます。
同じように少年の格好をしたパヴァーナの友達も一緒に、しんどい時は父親から教わった民話を思い出しながら困難を乗り切ります。

そもそも父親が兵士に目をつけられたのは、パヴァーナがそろそろ結婚できるのではと関心を向けられたのを、父親が庇ったせいなんですよね。
女性を守るためにと言いつつ暴力を振るい、働き手は足りていないので少年(に扮した少女も含む)の働く口はあちこちにある。
不合理なルールに合わせて文字通り「いきのびるために」女性が試行錯誤して奮闘するのは、いつの時代も万国共通なのかも…と変な連帯感を感じます。

そんな中でも、政権と関わりのありそうな男性が(おそらく身内を亡くしたことできっかけで)主人公を助けたり、何かと絡んでくる少年兵も弱い立場が垣間見えたり、男女関係なく、権力が進んでいく方向や方法の虚しさのようなものも感じました。


日本語では『生きのびるために』になってますが、原題はBreadwinner。そのものズバリ「稼ぎ手」。生きのびるために奮闘する女の子のストーリーだけど、原題のままの方がインパクトがあるんじゃないかな。
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