ゆーさく

恋は雨上がりのようにのゆーさくのレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
3.4
ほのぼの見てられる前半の恋愛劇は好きだったけど、陸上ドラマのくだりは正直ちょっと観ていてダルかった。

全体的に、多くを語らずな演出でそこは気に入った。心の中を何でもかんでもセリフにしないのは良いことだ。


大泉洋演じる店長がなかなかポエマーで、持って回った格言みたいな言い回しが多かったけど、小説家目指してた文学崩れっていう設定がその言い回しの臭さを説明出来てて、嫌ではなかった。



中盤にぽっと出てきた京都弁のライバルみたいな子は、なんか余分な感じがした。
親友と大泉洋だけでこの話は充分語れるんじゃないかな。
親友との関係、大泉洋との関係とがあって、そこに更にこのライバルの登場と、なんか、あきらを陸上の世界に連れ戻すためのドラマ要素が渋滞起こしてて、ちょっとウルせえな、と思った。

そもそも俺がこのライバルみたいな出しゃばったキャラが嫌いなだけなのかもしれんけど。。。

足の怪我が原因で陸上部と距離を置いたヒロインに、「わたしもアキレス腱断絶やったけど乗り越えて復活しましたよ」とか何とか言いながら踵の傷痕見せるシーンで、もうなんやコイツ…って腹立ってしもうた。
「賢しらに僅かな不幸を見せびらかすな!」
っていう、もののけ姫のセリフを思い出した。



「雨宿り」とか「きっと、すぐに止みます」とか、劇中使われる雨に関する言葉には、主人公たちの現状と重なる別の意味の含みがあって、なんともポエミック。それは素敵。

ヒロインと店長、二人の雨宿りのような時間はもう終わって、二人はそれぞれの執着に向き合うということやね。

その辺を汲みながら物語を追っていくと、結構感慨深いなと思えたりする、そんな映画。

店長の大学時代の友人で、今は売れっ子小説家のちひろが、今でも店長の事を学生時代と同じように高く評価してる感じなのが素敵な関係。


40過ぎても青春は味わえるんやね、前向きな話で終われて良かったわ。
初めて題材聞いた時には悲しい結末にしかならんやろ、と思ったから。


大泉洋の息子役だからってあからさまに天パの子役を選ぶセンスはどうかと思うけどね。
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