ぬーたん

ゲティ家の身代金のぬーたんのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.8
実話で面白そうと思っていたが、それ以上にアクシデントの方で有名になってしまった作品。
ケヴィン・スペーシーのまさかの降板でクリストファー・プラマーが急遽、代役を務めたが、撮影と編集で2週間ちょっとでやり遂げたという。
逆に言えば、そんな短期間でもやろうと思えば出来るのね。
脇ならともかく出ずっぱりの主役がよー!あの高齢のプラマーがよー!凄い集中力と体力。アカデミーにノミネートも納得。
あのトラップ大佐は老いて益々磨きのかかった演技力で、本当にソックリ、見事なゲティだった。
でも心のどこかで、ケヴィンの冷酷でしたたかな演技のゲティを観たかったなあとも。
誘拐された孫の母役、ミシェル・ウィリアムズの繊細で安定した演技と美しさ。
ゲティの部下役のマーク・ウォルバーグは珍しく大人しい賢い役。
この2人が脇をガチっと締め、プラマー爺様の演技が映える。
確かにケチだとは思うが『孫は14人居る。他の孫も誘拐される』と言われればそれはちょっと納得。
テロには屈しないというアメリカ国家のようだ。
国家並みに資産あるしね。
ただ、どうせ遺産分与で孫にも行くから、身代金を差し引いても残るでしょうに。先払いと思えばたいしたことない。
事件は脚色化されているものの、大方は事実に沿ってあり、残酷さに目をつぶるシーンもあるがそれも事実だった。
その後のゲティ一族の不幸も、あまりにもお金があり過ぎたから、と思うと、ほどほどのコガネ持ちが一番幸せかもしれない。
133分という長さでやや冗長に感じる。
ただ、映像的に飽きない。
豪華なお屋敷。
大きな宮殿。絵や骨とう品や家具の豪華さ。
長い廊下に赤い電話ボックス!
小銭入れないと話せんのよ。
どんだけケチなの?それともあれも希少なコレクション?
リドリー・スコット監督の作品は映像だけで楽しめる。
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