アメリカは『ペンタゴン・ペーパー』を作ったが、韓国にはこれがある。さらに言うなら『タクシー運転手』に『1987、ある闘いの真実』『弁護士』まで政治的な傑作が連作されている。
北と南の陰謀など、スパイ「黒金星」が告白したとしてもここまで暴ける(描ける)というのが凄い。また、1997年という比較的近年までこういいうことが行われていたということにも驚いた。
二重スパイのような立場に立たされる主人公の緊張感は、そうとうなもので、派手なアクションこそないが惹きつけられた。
主演はさすがのファン=ジョンミンだ。メガネかけてると松重豊(井之頭五郎)みたいなのだが、重厚な演技はさすがだ。
国家を背負うとはどういうことか、そもそも国家とは政治とは、与党とはなどを問いかける映画でもあり、おもしろかった。
「男たちの悪だくみ」という総理夫人のツイッターで、モリカケ問題での疑惑を持たれていた者に文部大臣を任命する現政権って何なのだろうとかも考えさせられた。