柏エシディシ

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニングの柏エシディシのレビュー・感想・評価

3.0
エイミー・シューマー大好きー❤︎
ぽっちゃり系の容姿にコンプレックスを持った何をやってもさっぱり女子がアクシンデントをきっかけに自分がハイパー美人に変身したと思い込み、自信を得てポジティブに。恋も仕事も好転する。

ファレリー兄弟「愛しのローズマリー」の変奏版みたいな設定が本当に愉快でクレバー。
本人と周囲のギャップにゲラゲラ笑いつつも、得てして異性や他人を容姿で品定めしがちな俗世への皮肉にドキリとさせられるし、自分のコンプレックスへの向き合い方に誰しも考えを巡らせてしまうのじゃないかな。
「本当の自分」を見つける物語というのは映画の定番だけれども、こういうアプローチの映画はありそうでなかった様にも思う。

ジャドアパトーの「エイミーエイミーエイミー」でも、女性ヒロインの従来の定型からはみ出したキャラクターを好演していたシューマーが、本作でも大胆且つ繊細な演技を見せてくれて最高に可笑しくてキュート。
ビキニコンテストのくだりは特に最高!
最初はあちゃーって感じで楽しく見ているのだけれどイーサンと同じように次第にレネーに惹かれていっちゃう。

あと、ミッシェル・ウィリアムズが、ある意味史上最高のミッシェル・ウィリアムズでしたw本人も楽しそう。
あえて苦言を言うと、ミシェル演じるエイヴリーやジムで知り合う美女など、レネーと180°逆の「持っている」側ゆえの負い目やコンプレックスに対する回収に関しては踏み込みが甘いかなぁ、と。ま、瑣末な気になりですが。

先ごろ、惜しくも亡くなったペニー・マーシャル監督の「ビッグ」をフィーチャーしてるのがとっても粋ですね。
「本当の自分を見つける変身ものコメディ」の偉大なる先達であり、本作に込められたフェミニスト的な視点において、女性監督のヒット作へのオマージュは重要なスパイスだと思います。
柏エシディシ

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