Aya

ある少年の告白のAyaのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.7
#twcn

めっちゃしんどかってんけど、その理由は個人的なことで。

イケメン俳優オタクとしての視点、映画ファンとしての視点、これが複雑に絡み合って、劇中見るところ、汲み取るもの、そして入り込んでくるものが非常に多く、はっきり言って大混乱ですよ。

しかも「Beautiful Boy」とハシゴしたので、ルーカス・ヘッジズとティモシー・シャラメ、今勢いのある若手イケメン俳優2人共抱いたった感があって、一瞬シアーシャ先輩の気分が味わえたのは大きいですね!

どちらも同じくらいの時代だったのかfordに乗ってるのいいですね!

先にオタクとしての意見を述べますね!

もうどんなキャスティングやねん!!

ルーカス・ヘッジズの案件をチェックするのは当たり前なんですけど、オージー歌手トロイ・シヴァン、説明不要!グザヴィエ・ドランにイギリス人俳優ジョー・アルウィン、そしてリズ・アーメッドを彷彿とさせるカナダ人のセオドア・ペレリン!!そしてレッチリからはいつものフリーねw
イケメンてか文脈的に重要な人が多すぎる!!

矯正施設のシーンなんて画面内にルーカスくんとトロイくんとドランが一緒にいるから、もうどこ見ていいのか迷う迷う!!
目が2つでは足りない!!

あのね!
トロイ・シヴァンは明日!東京で日本初のワンマンライブがあるんだよ!!
しかもアフターパーティーもmeet&gleetもあるんだよ!(ミーグリとはアーティストと直接お話しできるイベント)
実際に会えて、なんならこの映画の感想を本人にお伝えできるんだよ!!

しかも日本の前の中国には彼氏のジェイコブくんも一緒にいるからもしかしたら2人で日本来るかも知れへんねんで?!?!
ちなみにトロイくんはジェイコブくんをネットで見て「この人かっこいい」と思ったところから、実際に本人をゲットして付き合い出し早2年、というかなりの凄腕の持ち主です。

そしてトロイくんが今回書き下ろした主題歌「Evolution」。
私もともとトロイくんが好きで(シャラメ繋がりねw)普段から聞いてるからもういいシーンでかかりすぎて、エモーショナル高まり過ぎてたんだよ!!

そんなトロイくんの全然完璧じゃない英語も、そもそも英語を話しているところを見慣れていないドランの貫禄ありまくりのふてぶてしさや、役はクッソ野郎やけど今年に入って何本目?なジョー・アルウィンと、初めて見るけど何このイケメン?!セオドア・ペレリンの、その気あるけどもっと根底の話をしてます、と心と身体を完璧に操ってる感じとかたまらん昂まりまして悶絶してました。

トロイくんとドランがこのプログラムの参加者、というのはリアルと地続きで意味のある配役でしょう。
本人たちもわかって引き受けたのでは?

これだけで結構、疲れてるんですけど。

そして、映画ファンとしての作品の話をしますね。

前作「ザ・ギフト」も素晴らしかったジョエル・エドガートンが監督、ということで嫌が応にも高まる期待。
この人は・・・恐怖を描かせたらピカイチですね。

最初はよくわからんけど、まぁいいか、と思って安易に入り込んだらどんどんどんどん追い詰められる。
それは登場人物も観客もです。

特に脚本が秀逸なのはセリフを喋っている時と喋っていない時の、間ですよね。

主人公のルーカスくんはそんなに口数多い人ではないし、自分の中に溜めている思いがあるからセリフのないシーンが多い。

その間に立てる音、立てない音、人の行動、表情、目線で物語るのがまぁ卓越して上手い。
セリフではなく物語を伝えるお手本のようであります。

マジで監督2本目か?

俳優から監督へって人多いけど、この人は自分の持ち味をよく分かってるんだと思います。
しかもそれが結構揺るぎなく、発揮の仕方も上手いのでジョエル・エドガートンの才能は一体どこまで・・・。

ルーカスくんはおとんのラッセル・クロウが牧師だから余計にややこしくて、福音派の「ゲイを治す矯正プログラム」に入れられるんですね。

そこで行われる非道な人間性の否定。
浴びせられる言葉の暴力。
課せられる過剰な罪の告白。
許されない他人を思いやる気持ち。

それに違和感を覚え、耐えられなくなるルーカスくん。

当たり前だよねw
「ゲイを治す」ってなんやねんwて話じゃないですか。

しかし!このプログラムの治療師、ジョエル・エドガートンは彼らを責め立て、徹底的に追い詰めます。
でも自分は・・・。
役者としてもなんていいんだ!

てかそのまんま演技指導とかしてる姿が想像できてめちゃ凄い&忙しい!!

お母さん役のニコール・キッドマンはまた「LION」に引き続き素晴らしいははおやですね!
地味にあの洋服であのネイルのお手入れの仕方とか最高に好きです。
でもあの時代にジェルネイルがアメリカにあったのかは不信です!

「Shame on me!」という単語の重さ・・・。

そしてラストはルーカスくんが自分を過酷な環境へ追い詰め、大好きな母親すら傷つけている様子の父親と対峙します。

そうなんです!

あの、何も言えず黙っていい子をやってたルーカスくんが、自分を肯定し父親との対話、和解を試みようとするのです!!

悔しいかなこの成長はもしかしたら、あのプログラムの経験がなかったらなかったかもしれない・・・。

これも実話らしいねんけどほんまなんやったら凄いな(T . T)
きっとルーカスくんは今でも神を信じていると思います。
ただその神は、彼にとってのジーザスであり、父親が語るジーザスとは違うことでしょう。

ちなみにパンフレットの出来がものすごく良かったです。
インタビューや色んな方のコラムが載ってるのですが、全て文字数の収め方が完璧で、ビッシリです。
これ作ってる人の並々ならぬ手腕を感じました。


日本語字幕:松浦 美奈
Aya

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