OASIS

できごとのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

できごと(1967年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

オックスフォード大学に勤める哲学教授のスティーブンは妻子がありながら留学生のアンナに惹かれる。
だが、彼女もまた恋人ウィリアムスと付き合いながらスティーブンの同僚であるチャーリーと関係を持っていたのだった...。
監督は「召使」のジョセフ・ロージー。

「銃殺」「召使」と観てきてモノクロ映画のイメージが強かったジョセフ・ロージー作品だったが、今作はカラーで描かれていて手法は違えどその画面作りの美しさは変わらない。
冒頭、カメラは全く動かず一軒の家を映し続け、静寂に包まれた空間の中突如鳴り響くブレーキ音のけたたましさが空を裂く。
そして事故にあったアンナとウィリアムスを目撃したスティーブンは、彼らとの出会いを思い出し始める...。

元々アンナに好意を持っていたスティーブンだったが、ウィリアムスにアンナを紹介した事により彼らは直ぐに打ち解けて行く。
スティーブンがアンナに抱く感情やウィリアムスに対しての心情を始めとして、キャラクターそれぞれの考えに全く持って共感性は無く、ブルジョワジー達の気まぐれなお戯れにしか見えず。
人目も憚らない逢引の大胆さや、それについて深く詰め寄る事もしない周囲の寛容さは、大らかと言うべきか単に勘が鈍いと言うべきなのか。

ボートで優雅に川を下ったり、クリケットを楽しんだりとゆったりと過ぎ行く日常の裏では、ドロドロと濁った情欲に塗れたもう一つの日常が深く静かに潜行する。
その隙間を縫うような卑しくていやらしいキャラクター達の動きがいつしかスリリングさを帯びて行き、様々な感情を掻き乱す。
アンナのスカートから覗く太ももに興奮しないオトコがいるのか?いや、居ないだろう。

戻れない場所など無いように見えて実はいつでも軌道修正出来たりする甘さはあるものの、分かるようで分からない感情の動きが興味深い映画だった。