Masato

未来のミライのMasatoのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.5
フリーパス1本目

海外の批評家の評価はかなり高いが、世間的には乏しく、賛否両論がある中での鑑賞。

模範的な物語の構成ではなく、家族単一の物語な上に、展開数が少ないためか、ものすごく世界観の狭い小粒な物語に思えた。というか、作り方にヨーロッパ映画的なものを感じた。アドベンチャーな物語とは少しだけ違って、無駄なものをそぎ落とし、非合理的な世界観に招き入れる。内容自体も、「未来のミライ」というタイトルで想像していたものとかなり異なっていた。「風立ちぬ」の時の宮崎駿のように、作家性を突き通して個人的な作品にする。大衆向けとはかけ離れたものにしようとしているのかな?

「おおかみこどもの雨と雪」と同じく、親の苦労を事細かに描き出すというところは変わっていない。

感じたことは、家族という、血で時代を紡いでいく組織において、その時々の時代で変容していく人生の岐路。しかし、どの岐路も本質的には変わっていなく、いつの時代にも存在する普遍的な通過儀礼である。そのイニシエーションは些細な選択で多大な変化を起こす。いわゆる「バタフライ効果」だ。その積み重ねが今を形成している。未来へ生きるために今をどう生きるか。

↑まじで意味不明な文(^_^;)

そんなことを口で説明されても、いささかわかりにくいから、くんちゃんは幼くして身をもって体験していく。時代は違えど、人は違えど、父でも、母でも、みんな僕と同じように生きていたんだ。ひぃじぃじもお父さんみたいだった。でも、パパとママを見ていて思った。僕はこんななんだ。じゃあ、ぼくはこれからどう生きていけばいいのかな?。この時に、くんちゃんは自分を客観視することと人生の選択の重要性を知ることになる。成長していく。

最後、あれだけ譲らなかった黄色い短パンを履かなかったということ。これは、人生において、なにが重要なのか。という、「選択」の重要性に気づいた証だ。そう考えると、非常に奥が深い。

ある意味、英題のMiraiだけのほうが良かったような気がする。いろんな意味を内包しているタイトルになった気がする。

アニメーションの演出は良かった。ちょっとレオスカラックスの「ホーリーモーターズ」を思い出した。少しカオス気味な感じ。スリリングな演出も面白かった。


主観的評価 35点
客観的評価 35点
70点
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