考えれば考えるほどにとんでもない作品。新しい…
正直、観てる最中は面白いとは感じなかった。
メインの素人3人のヨーロッパ旅行記？私は今 何を見せられてるんだろう？って思ったのも本当のこと。
でもそれすらも監督が撮りたかったものなんだと思わせられるものが確かにあった。
偶然乗り合わせた列車に銃を所持したテロリスト
あのような差し迫った場面でどう行動するか…その瞬間にその人の生きてきた軌跡が表れると思っていて。
「その時」は作品の中でもほんの一瞬の出来事。でもそのほんの一瞬の尊さにこんなにも熱くなる。
きっと演じられたものを撮りたかったのではなくて、その人間の生き様そのものを撮りたかった。ただリアリティがあるから、ではなくて本人でなければいけなかった。決して上手とは言えない彼らの間の取り方も含めてイーストウッド監督は作品として納めたかったはずなんだ。
観終わって時間が経つとそう感じられてきて、ドラマチックな造りにしていないことが反ってドラマチックに写る。
こんな作品にはなかなか出逢えるもんじゃない。
