えむえすぷらす

15時17分、パリ行きのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
5.0
イーストウッド監督は史実に基づく映画としては「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」など挙げられるが、本作は作り方が大きく異なる。
見終って思ったのはエリゼ宮(かな?)での仏大統領による勲章授与式の映像が起点としてあってそこから逆にたどり直そうとして、それなら本人達に出て貰おうという展開になったのではないか。そんな風に感じられた。ドキュメンタリーの色彩が強い作品となった。

Twitterのフォロワーの方が「どれか一つでも起きなかったら、あの列車での凶行を防ぐ事は出来なかったのでは」と書かれていた。この点でもやはり時系列を逆向きにたどった上で再び再生して見せた作品だと思うのです。

彼らはあの瞬間まで努力はしてきたけど、それで大きな栄誉など手にはしてないどこにでもいる青年だった。ただ彼らの生きてきた中であの瞬間、何も考えずに行動に移す決断をする準備だったという風に捉えた作品だと思う。母親の宗教性や三人のうち二人が軍隊を渇望しているけど、それだけが彼らにしてあのような行動を取らせたわけではなく、そういう積み重ねの果ての結果なのだと思う。